アウトドアのリスクヘッジと楽しみ方

2010/10/29

学生時代の友人とは、旅やスポーツ、BBQ、キャンプなどアウトドアに関して共有してきたのが多く、その仲間の一人と自分がトレッキングをはじめたのは、かれこれ2005年の陣馬山から。友人はそれからもコンスタントに山へ行き、雲取山、富士山とちゃんとしたトレッカーである。そんな俺もここ2年くらいで、バスケ仲間とのスピンオフで、トレッキングをリスタート。高さよりも雰囲気や渓谷・滝、グルメなどを楽しむ、シティ派なわけだが、生粋のトレッカーである友人とは山の情報や経験値を今でも交換しあっていて。師匠的な存在である。
彼のプランニングや山に対する意識、装備や分析、情報収集の能力は仕事に限らず遊びでも群を抜く高さで非常に勉強になる。
どちらも企画側になることが多いため、単独で無い以上おおげさではあるが同行者の管理もしなくてはならない。そんな友人が先日山へトレッキングに行った時の話。


そんな師匠はマイナーな山を開拓するのも好きで、山梨の鶴ヶ鳥屋山に行ったそうです。そのトレックの中盤までは、なんてこともなくいつも通り。はじめての山なので時間には2時間ほど余裕をとれていた。しかし・・・・以下抜粋。
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ここまでは全体的に案内板なども整備されて道迷いの心配は無かったのに、以降はところどころで消失していたり、目印があっても信憑性に欠けていたりする箇所があった。道自体も道と言えば道のような、怪しげなところが多く、滑り易い急斜面が続く中では、少し間違えた場合でもリカバーはかなり困難。
地図上で一旦車道に出ると書かれていたので、車道を目指していたら、車道は見付けたものの、落石防止の為にコンクリで固めた斜面に行き当たってしまった。落石を受け止める金網がぐるりと張られていて越えられず、コンクリを滑り降りることが可能か確かめようとしたのだが、登山靴がコンクリ部分に全くグリップせず、ブレーキが利かないので危険と判断して断念。
目印を確認出来た地点まで登り直して戻ろうとしたら、足場がザラザラと崩れ始めて、身体がコンクリの斜面に投げ出されてしまった。靴はほとんどグリップしないので、足の力で這い上がることが出来ず、咄嗟に掴んだ細い枝だけが頼り。この時はここ数年の登山経験の中で、初めて怪我をするかもしれないと覚悟する必要に迫られた。
結局、細い枝を幾つか経由して太い幹に辿り着けたので、間一髪で無傷の生還。1時間近くロス。日が暮れてしまう可能性もあるだけに、余裕を持った計画を立てることの重要性を再認識することになった。
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こんな、経験をしたのです。
先日、自分も棒ノ嶺トレックでもコースを見失うなどの経験もあって。
同じように、スケジュールと危機管理、コースを戻るという決断。というのを再認識した有意義な経験だった。そんな話を交え、友人とは「お互いに気をつけないとね」という話をしたとろだ。
それに片山右京はじめ、有名な登山家でも自然猛威には非力な事故もあった。経験者とはいえ、こうやって再認識が重要だと思った。冬となればいくらミシュラン高尾山だって危険もある。
この日記を書こうと思ったのは。色々含めていて。
 ・なぜ自分はいつも荷物が重くて多いのか?
 ・自分の山仲間が身近で危険な経験をした
 ・ダイビングを楽しむようになって
 ・アウトドアをもっと楽しみたいと思った
 ・もっと未経験な人にも知った上で楽しんでもらいたい
「経験者はより楽しむために」、「未経験者はトライするきっかけに」を考えたくなった、ダイビングを経験して益々思った。もちろんこれは個人的な日記ではあるが、共有する意味ではコメントをもらえるとありがたい。
以下トレッキングとダイビングを交えながら。
■なぜ荷物が多いのか?
 いつも「バック大きいね」といわれるが、少なくならないものか?
 と思ってはいるけど。色々用途があるのよね。
  服=防寒着、温泉用着替え、タオル2枚
  水=飲む、調理、手洗い、応急処置用
  食事=おにぎり2個+カップもの、コーヒー
  道具=コンロ、燃料、地図、トレックポール、ティッシュ、鈴、
     デジカメ、コップ、皿
  保険=救急セット、シート、雨具、コンパス、ライト、ツールナイフ、
     ウイダーゼリー、チョコ
 こりゃ重いわw。水が一番重いんだよね。。
 もちろん、これが日帰り最大装備なだけ実際は、
 場所やプラン、メンバー同士の分担によって項目は減ったりする。
ここで必要なのは、実際に装備を用意することが重要なのではなく。
『今日の自分は、フル装備から何と何が無い状態でトライする』を理解することが大事。こんなん入門から全部揃えるなんて・・・ですが特殊なものはコンロとトレックポールくらい。そのほかは100円ショップで十分だが、まずは経験者と一緒にトライしてみて。徐々に揃えるなりすれば良い。
それに分散して持って行けば、お互い楽になるし。
■危機管理
山とコースの情報収集、メンバーの能力にあった行動、スケジュール足場、天気、健康などのコンディションチェック、緊急時の対応確認。これらは経験値がものをいうのだがここで重要なのは。
『自分から経験者に聞く』という行為。基本はセルフスポーツなので、自己把握が前提。 言ってくれるのを待つのでなく、どんどん聞こう!
後は、救急対応。怪我の処置、状況判断。大げさだけど命に関わることも意識は必要である。普段は病院、119があるが。アウトドアでの環境では『普段の環境とは違う』点を理解することだ。オウンリスクとはいえ仲間が怪我をしたら、自分が怪我をしたら、そうも言ってられない。
時には知識と技術さえあれば救える命もある。これは都会でも同じ。
対アウトドアに関して、今一番自分に足りない部分なので勉強したい。
ロープの結び方はTKZに習おう!
■楽しみ方
トレッキング、ダイビングとはいえ。目的や楽しみ方の工夫は人それぞれ。当日のメンバー同士も完全に一致しなくても良いが、ある程度は共通できたらベター
『とりあえず興味を持ってみる』『みんなどう楽しんでるか聞いてみる』『マネしてみる』自分が持ってきていないものを持ってる人がいたら聞いてみよう『何で持ってるの?』その『気づき』ってのは経験値になる。
 「そのジャケット、どこの?蒸れない?」
 「そのタイツ、暑くない?」
 「その唐揚げとポテトをトレードしない?」
 「それ便利そう」「でしょ、便利なんだよね?」
 「ん???マイナスイオンっ」
 探検隊のように「気をつけて!」「了解っ!」のかけ声
 他の登山者に
 「こんにちは」「ありがとう」「頂上どうでした?」
 
 道を譲ったり、譲られたり、手を差し伸べたり。
 歌ったり、謎かけしたり、写真撮ったり。
 
 どれも楽しむ方法は、いくらでもある。
やり慣れない、言い慣れないものでも、ここでは楽しみに変えることができる。
これがアウトドアの『楽しみ方』かな。また、基本「オウンリスク」というのを各自しっかり認識した上での協力しあう気持ちだね。
こうやって文面にすると非常に面倒なスポーツのようだが、未経験者の参加ってのは経験者にとっても良い経験になるわけで。どちらにとっても良いこともある。
ちなみに、先日「自分、泳げないからダイビング無理です」という人がいましたが。無責任なことはいえませんが、そんな人ほど興味持ってみてはいかがでしょうか。自分は、水泳が大嫌いだし泳げない、海においては何も浮くものを持たずに入りたくない幼少期の海トラウマもあります。泳げない人ってのは息ができないのが怖いとかじゃないかな。水中では呼吸できるし、老夫婦が仲良くできるくらい優しいスポーツ。故に運動神経の有無は水中ではほとんど関係なく、男女も差は無い。10月からだと水中の方が暖かく。イメージには無いが一年中できるのも不思議。
お互いをサポートして、協力することが大前提で徹底されているからこそ、マリンスポーツとして確率されたと思う。是非、山も同じ感覚で取り組みたい。
そういう意味ではダイビングの経験値は、非常にアウトドアという大きな括り全体にも参考になることが多ので、ここ1,2年の大きな収穫であることは間違いない。
なにより、同じ無重力を体験するなら宇宙行くより安いw
と長々と書きましたが。
山や海での事故や、熊出没や天災などのニュースが最近賑わっているので、再認識を含めて考えてみました。皆さん台風に気をつけてください。
楽しませてもらってる大いなる自然に敬意をこめながら。
是非アウトドアしましょう。
それにしても紅葉トレッキングはできなかったし、キャニオニングもしなかったなぁ。。トレック+温泉行きたい・・。
最後まで読んでいただいて、ありがとう。
少しでも参考になることがあれば幸いです。