不定期で慣行されている野郎旅。
いつもは1、2月などが多いが、雪景色は味わったし、季節をかえて景色を変えてと、次回は秋かねぇと
そこで今回は以前のうどん弾丸旅で、四国とはいえ香川に滞在3時間というタッチ&バックだったことから。しっかりと四国にいったぞ、といえる。そしてまだ誰もが未開拓の地をプランニングすることに。
今回の目的は高知の四万十川を見る、仁淀ブルーが注目され、川に掛かる橋が有名な景勝地。
それと小豆島への足かけツアーを企画した。
例年通り1名は、企画も行き先も伝えず。日付だけを伝えたが。
プランニングの相棒ことH氏とは、数パターンにおよびタイムスケジュール、店や撮影スポットなどのポイントをマップ化するなど、今回は長距離だけでなく、フェリーを2回も乗るということから、金曜夜発・月曜朝帰りという今までに無い長さ故に、無駄なく、満喫するためおよそ2ヶ月前から徐々に組み立てた内容になった。
無論、我々のスタイルは、綿密に計画をしておいて。現地判断の材料にするだけで、臨機応変大前提は毎度のことである。なんて言っても計画してるときが一番楽しいのよね。
さて、天気の心配はあったが、ありがたいことに出発からなんとか持ちこたえてくれた。
今回は、メンバーが車を新調したので、最新テクノロジーと、ポテンシャルを把握するためにもお世話になることに。
金曜の22時にピックアップをすませて、東京を発。
足柄SAで夜食をしっかりいれて残り10時間のドライブに備える。
朝焼けの頃にはちょうど明石海峡大橋を過ぎ、四国再来となる。
途中ガス補給のタイミングをミスり、久々にアラートがでた状態のヒリヒリタイムを過ごす。
半分を過ぎたら入れるというのは、旅では必須なので要注意だ。
今回の最初のポイントは朝食、高知の久礼大正町市場である。
9時半過ぎに「メジカ横丁」というアーケードに着く。
ここではもちろん鰹! 新子といわれる若い鰹の刺身を仏手柑という柑橘のしぼり汁をかけて食べる。
メジカとは、ソウダガツオの新子で、それが現地でなければ食べられないというのが目玉だ。宝くじ売り場みたいな小屋には女性が1〜2名入り、ひたすらさばくのだが、なんせここの情報がない。
店舗でないのでレビューも存在せず、詳しいレビューが探せない故に、事前に勝手がわからない。
市場のホームページで唯一本日のメジカ取り扱い情報がでるが、価格もメニューもない。あまりに流通しないのと、数の少なさから、ちょい寄りの観光客には向かない代物みたいだ。多くは地元の人っぽい印象だった。
まだ小屋がオープンしてないが、30分前でも各小屋には20名前後が並んでいる。我々は一番少なかった幸進丸という店に並ぶことにした。
10番目くらいだったので時間は掛からないだろうと読んだが、前述の通り値段もメニューもないので、毎回客と女将さんが会話するところを毎回やる&すべて1名でさばくので複数頼むとものすごい時間がかかる。
何でだろうと思っていたが1時間ほどして我々の番になると、その理由に気づく。
なんと新子と言われるものでも、本日は3種類。
メジカ (ソウダガツオ)・スマガツオ・ホシガツオ それぞれの魚の特徴や食べ方、普段我々が食べる鰹のたたきとの違い。それを裁きながらも丁寧に説明してくれる。せっかくなので、色々質問するけど全部きちんと答えてくれる。ただ小さな小屋故に声が聞き取りづらいので、半分顔を突っ込まないとならないのがもったいない。
今回はメインのメジカを3皿、スマ2、ホシ1にして合計3,300円。
ここでの一番の驚きは、血合いを全て除去していること。さばくのを見ていると、それ全部捨てるんかい!血合いを除くために内蔵以外の身が半分くらいになる。あまりの破棄部分の多さにウワッと何度声を上げたことか。これは利益率が悪すぎる。やはり美味しいものを食べて貰いたい、ここでしか食べられないものを、という地元の方々の気持ちを大きく感じられる瞬間だった。切り身の上に最後、仏手柑(ブッシュカン)を絞り、皮をおろす。
最寄りの休憩所を借りて早速食す。
これはいままで弾丸ツアーやグルメツアーの中でも最上級レベルに現地オンリー200%。
正直、美味しいというか”気持ちいい”という、食感的美味である。おいしい、でなく美味。
メジカは圧倒的にねっとりしており、生臭さがない。あんなに柑橘を搾ったのに、その柑橘の酸味は優しく邪魔しない。のちに柑橘をかじりながらがむしろウマい。高級な中トロのような柔らかだが油がないという不思議な感覚。マグロのような良い意味での血の味もしない、ただ、ねっとりと纏わり付き、旨味が長く余韻として残る。三人ともそこそこ食い道楽ではあるが、誰1人として、具体的にこれがレビューできたものはいなかった。それほど独特な食べ物であったのが驚き。食べ終えた今でもなんだか得体がしれないもののままだ。
食というのは、味だけではない、というシンプルなコトではあるが、ここまで食感と余韻だけに振り切った1品であったことは、今回のツアーの初っぱなであり、大本命が
ここまで感動があると、もう後はどうにでもなれという心の余裕ができたことは、言うまでも無い。
市場そばにある神社が海まで続く参道がとても素敵。
津波タワーをあまり目にすることがないが、南海トラフがあったと思うと、このエリアの被害は計り知れない。
こうやって地元の大切な食や文化がどうなってしまうのか考えると、今日これたことも大切に覚えておきたい。
さて、予定よりも余韻含めて味わってしまったので、ちょっと駆け足で道の駅「なかとさ」で軽食を補い。
明るいうちに四万十川へ向かう。
今成橋 (佐田沈下橋)、なかなかこういう構造の橋もないので、自然とのコントラストが独特である。残念ながらエメラルドグリーンの絵面とはならなかったが、四万十川というのもが、想像よりも水深が深く水量があったのが驚き。これは簡単に川で入るという気軽な様相ではなかった。それと以外だったのは人がいなかったこと。これだけ観光地としてメジャーなので、もう少しいるかと思ったけど平和の空気だった。
ここまで運転しっぱなしだったので、やっとひと息。
四国の自然をちょっとだけ感じるように、橋に腰掛け、深呼吸。
2つめの橋。勝間橋 (鵜ノ江沈下橋)は、せっかくなので車で走行してみる。
想像以上の緊張感と行き違いができない恐怖w。とても貴重な体験、この水量に耐えているのがすごい。
水際に寄ることができたので川にちょっとでも・・という欲を満たすことができた。
さて、翌日のこともあり。徐々に北上しながら次は四国カルストへ。
ちょっとルートをミスったが、遠回りした裏道で壮大なパノラマ展望に出会う。
四国の山々の稜線と、雲海のような雲が夕方に向かうほのかなピンク色で覆う。
車を停めて、一息。ここでも山の空気を満喫するという想定外の収穫。叫びたくもなるね。
カルストに着く頃には、ガスっけが多く、開けた展望とはならなかったが。
巨大な風車と、奇岩の岩肌、キャンプ場があったり、牛や馬が放牧されていたりと、なかなか組み合わさることのない光景があった。
ここで朝日や夕日、星空を味わうキャンプができたら最高だろうなと、ちょっとウキウキする。
さて、翌日の小豆島に備えて高松方面で向かいながらも、途中で温泉で汗を流す。
23時頃には高松の繁華街で、やはりうどんだろ、うどん。
ということで「うどん屋もみじ 」で腹を満たす。東京でいうラーメンのような扱いなのか、23時でもうどん屋に行列ができるなど、不思議な光景だ。
今回は仮眠が短いので、無料キャンプ場「田の浦野営場 」に向かう。
繁華街から1時間ほど徳島側にいった所。25時だったので、私はソロテントのメッシュだけをペグ無しで簡易的にたてて。2人は車中泊仮眠。
AM5時前には起きて、高松フェリー乗り場へ。
ここでも壮大な朝焼けが僕らを迎えてくれる。天気に恵まれたのは本当に感謝で。
川、山、海、そして島という多彩なフィールドを楽しむ今回の旅の壮大さが広がる太陽のグラデーションという彩りが加わるという。
初便6:25に乗る。いつもながら車でフェリーの乗るのはワクワクするものだ。
運転しっぱなし、仮眠も短かったので、ゆったりと景色を眺めながら、写真をゆっくり撮れるのも魅力ね。
見てみたかった瀬戸内海からの景色は最高。
また気温も風もちょうどよく、いままでと違う時期にプランニングしたらしさも満喫してる。
土庄港に着くと、名物かどやのゴマ油の香りで迎えてくれる。
小豆島には朝ラーメンという文化があるらしく8時からやってるラーメン屋「麺鯉」でしっかり朝飯。
どことなく雰囲気はソーキそばのようで、あっさり目で、一発目としては入れやすい。
今回の小豆島はアクティビティとしてレンタルサイクルを企画。
車で行ってるのにあえて車を降りて別の移動手段をとるのが我々っぽい。
しかもオリーブビーチという観光案内所から、半島部分への渡し船があり、自転車を載せていくことができるという珍しいものがあったからだ。
さて、ここでミラクルがおきる。
企画を一切知らないY氏、オリーブビーチ着くと映画の舞台になっているらしく、建物に垂れ幕やポスターがあるのだが。映画「海辺へ行く道」という小豆島ロケの映画だ。
「あ、あれ、俺作った」と、何だと(笑)
そう、Y氏はアートディレクターであり、邦画洋画も手がけるデザイナー。
縁あって小豆島関係の映画を手がけていたらしく、ちょうどその映画が上映したばかり。
そのポスターやパンフレットを手掛けたのが彼。
ちょうど案内所のスタッフが声をかけてくれたのだが、
そりゃスタッフにとっても作者本人登場のサプライズ。
その場にいる人全員が、なんだかミラクルやサプライズが重なるひとときに。
これはH氏のブログから拝借だが。
「誰1人として仕掛け人が存在しないサプライズ」というワード以外にハマる言葉が思いつかず引用させてもらった。
せっかくなので、現地の現状や課題などが聞けた。
島にはくるけど泊まる人がいないそうな。やはり食堂や人不足。
こんなに良いところなので課題があるという現実だった。
また、スタッフさんが映画の事務局長という偉い人に急遽連絡をとったらしく、渡し船にのる直前にわざわざ挨拶をしに来てくれた。なんとも人がみんな温かい。
なんだか小さいけど、我々の旅の予定外の旅のスパイスになったことは間違いなく、この縁の発端ともいえるY氏の創作があったことが、こんなにも現地の人と気兼ねない交流ができたことには感謝の限り。
クリエイティブって、作るばかりで、当事者と会うことが珍しいため。
きっと彼にとっても良き時間になってあろうと思う。
さて、もう小豆島のピークといえるような意図しないサプライズの熱をそのまま。自転車を小型の船に乗せ、いざ10分ほどの船旅。大人1人500円、自転車1台250円。
到着は二十四の瞳映画村という、これも映画のセットが残された観光スポット。
有料のため入場はしなかったが、土産やがあり、ゆったりとした島っぽい時間を過ごすには良い。
我々は、元のオリーブビーチを目指しながら、気持ちよい空気を感じながら、自転車を走らせる。
アップダウンはあまりなく、凪の海と小豆島の山々を見渡しながら海岸線沿いを30分ほど。
チェックポイントの「醤の郷」へ、小豆島は醤油作りが盛んでこのあたりが醤油蔵が並ぶ、建物はそれなりに味があり、香りもするが、あまり観光スポットとして充実しているとはいえないが、自転車で立ち寄るスポットとしてはちょうどよい。ここでやっと現地っぽい醤油のお土産を買い、進む。
途中、内海湾を見渡せる高台があったので、上からの眺めを見に行くが、なんとも地味過ぎて後悔はしてないが、すぐに降りることに。下り坂は気持ちよい。
出発点のオリーブビーチで自転車を返却し。丘の上の道の駅 小豆島オリーブ公園へ。
実写版『魔女の宅急便』のロケ地であり巨大な風車がある。
そこでホウキにまたがりジャンプして撮影がなんとも映えスポットとして有名だ。
ここにきて人が大勢いるが8割がアジア系外国人であった。
いつもならここで野郎写真を撮りそうだが、人が多すぎてここではパス。
小豆島に縁があるY氏だけには飛んで貰おう。
そういえば、さきほどオリーブビーチで出会ったスタッフさんが言うには。
本当の撮影場所は私の実家なんです、と驚きの情報。彼女は海外から移住してきた両親を持つが、小豆島生まれ、外にでたことがないそうだ。そんなビックリ情報も実はやりとりで得た驚きだった。
さて、サイクリング野郎はペコペコ、現地で調べて評判のある食堂に電話するとランチが予約できたので、中山千枚田にある「こまめ食堂」へ。
やはり、素麺は食べておきたい。そして千枚田というだけあって米農家がやっているとあって。素麺とおにぎりのセット、かき揚げと魚。素麺は中太のチュルチュル、しっかり冷えてて、窓から見える景色と共に清涼感このうえない。ふわりと握った拳のようなおにぎりも最高で、私はこちらのお米を購入した。
さてぼちぼち姫路に向かうフェリーへと進路をとり、JAや大坂城残石記念公園を経由して来た側から福田港に向かう。
帰還するまえに鋭気を養うため吉田温泉 ふれあいの湯に立ち寄る。
ここは現地の人が集まる集会所みたいな。入り口には物怖じしない猫が寝ており、
おばさま達から「あんたたち、一番風呂よ」と声をかけてくれた。
内湯のみだが、誰もいない、採光が気持ちの良い風呂につかり、さて帰るぞとギアを入れる。
福田港のフェリー乗り場は、小江戸雰囲気に演出されており船の料金表が全部漢字だったりとちょっとは彩られているが、お土産屋とか食事ができる雰囲気はまわりにはなく、しっとりとしている。
福田港〜兵庫 姫路港へ。
西の港から入り、東の港から出て行く、なんとも旅情がある流れ。
アッという間に暗くなり、朝焼けの船から、夜の船に。船内はガラガラで寝放題。
姫路からはひたすら高速、途中SAで夕飯を取るが静岡あたりの交代で私ちょっと寝のつもりが爆睡。結局都内まで寝てしまい、申し訳ない。
前半計画も知らされず参加したメンバーが後半踏ん張ってくれたようで、1人が寝ても会話やナビがいる安心感。やはり3人体制は心強いとかみしめる。
それと何より友人が新調した車の半自動運転機能が最高。
手を添えるだけで本当に運転してくれる、これがあったからこそのロングドライブだったと思う。
1日目1,260km、2日目780km。合計2,040km。という最長記録もたたき出した。
ただ心残りなのは自分カメラの設定が何故かJPGのみでRAWデータを記録してないという痛恨。
いつもスナップして、あとで現像で誤魔化してたけど、今回はやけくそで、撮って出し。
出かける前にRAW設定とバッテリーを忘れずにという教訓です。
次は九州か、北海道か。
もう弾丸という領域を超えることは見えているが、1週間くらいかけないと満喫できない規模感を感じている。
今回もプランニングと運転、そして現地の方との縁を紡いでくれたメンバーたちありき。
そして天気と気候に恵まれたことに大感謝、大満足の野郎旅あった。