2013年山始め 寝姿山~高根山@伊豆下田

2013/01/05

去年の鋸山に続き、山始めはHokt氏とライトトレック。
半島シリーズと名打っての企画となった。
下田へは車で来ることがほとんどなので電車は何十年ぶりだろう、斬新だ。
南伊豆の下田駅の目の前にあるロープウエイで寝姿山へは簡単に登れてしまうが、頂上から裏手を抜けて高根山へ縦走して蓮台寺へ降りるコースがあるので、今回は軽めに展望と温泉を楽しむことにした。
日帰りでは行きづらい伊豆ではあるがトレックプランを短めに、そして翌日も休みという点から実現となった。
朝5:30に下北集合で乗り換えて伊豆急下田駅へ。

9:30には下田に到着。駅の改札は黒船がモチーフとなっているところは、旅っぽさがあっていいね。駅は路線バスは多いが人気は寂しい….まぁ早いからね。

ロープウエイは、片道600円(往復1,000円)。
チケット売り場には往復しか記載が無いが片道と言えば購入可能。
下田駅の観光案内だと往復900円の割引、他にもチラシとかであるみたい。
http://www.ropeway.co.jp


ロープウエイというよりもスキーのゴンドラサイズで、かなり小さい。
数分で登ってしまうが、見下ろす下田駅周辺の景色はとても良いのでテンションも上がる。

頂上には売店、食堂があり下田港を見下ろせる展望台がある。
庭園の様になって花壇があり愛染堂(愛染明王堂)へ続く。

途中、『迷路 20m』という看板に惹かれて行ってみる。数十秒あれば終わってしまう迷路だが1度も迷わなければ御利益ということでトライ。残念ながら1回突き当たってしまったが、なんか迷路なんて久しぶりで面白い。
参道へ合流して、本堂へ。
ここは「縁結び」のパワースポットらしく絵馬がハート型。


男34歳独身、参拝させていただくw
身支度を調えて本堂裏手から敷地を出て高根山へ向かう。
しばらく砂利道を進むがコースを見落とし易いとのことで探しながら歩く。

一度、林を通り、また砂利道へ合流、まぁ近道程度だったようで、そこからまた少し歩く。やっと登山口というか『森の入り口』みたいな、まるで裏山に入るかのような雰囲気。

今日のコースは登りは少なく、ゆっくりと進む。


伊豆でのトレックは初めてだが、木や植物の種類が豊富で原生林に近い状態なのは奥多摩などのある程度管理されている山との違いがある。車通りも無いし、人気も無いのでとても静か。
プランニング段階では、地味な山なので、コースの雰囲気などはあまり期待していなかったのだが、野鳥もいるので囀りを聞きながら、今回は樹木や植物観察をしながらのトレックとなったのは嬉しい誤算。いつもと違った雰囲気だし、なんか小さい頃の裏山で基地作りを企む少年のようなワクワク感が楽しかった。

弦が巻かれた木々は、凸凹になりながらも成長を続ける。弦も落とされないようにトゲを使ったりして同化しようと頑張っているのも観察できる。普段は通り過ぎるだけなのだが今日はこういうのを観るのが楽しい。


途中、木の根元が剥がれていたり、爪痕があった。
想像ではあるが、恐らくイノシシだろう。実際に山で遭遇したことは無いが身近に感じられたのは嬉しかった。ちょっと物音にビビッたけどw

緑樹の色も鮮やかに広がりまさに森。葉っぱが上部に集中しているので空間も広々して気持ちよい。
途中、キツツキが木を叩く音が聞こえる。イメージしか無かったこの音を生で聞いてテンションがあがる。
こんなときは、もう少し動植物の知識も必要だなぁと。Hokt氏からは、アオキやら野鳥のことまで教えてもらう。 多少たりとも知っているというアドバンテージは、さらに楽しむという点で羨ましく思えたし、今後は意識したいと思った。
コースも終盤、徐々にゴロタが増えて斜度も上がってくる。
ふと見上げると今までのコースとはケタ違いの斜度が憚る、最後の登りだ。

一応階段のように杭は打ってあるが、土などの影響で足元はそこそこ緊張感のある登り。補助でロープがあるので安全確保的に辿るのが良いと思う。

登り初めて振り返ると何という展望の良い事。
いままでは林だけが、一気に海岸線や白浜を見下ろすことができる。
ただし、結構な斜度だけに振り向く際はかなり注意が必要。
展望は頂上でもあるので、ここは登ることに注視をオススメ。

登り切るとNTTの基地局があるので、少々自然っぽさは劣るが、それを優る展望が広がる。海側はエメラルドの浜で有名な下田白浜大浜、山側は低山が無数に並ぶ稜線。


天気も良く想像以上の展望は凄かった。
何よりも小さい頃から、馴染みのある下田の浜や町並みを見下ろせる展望というのは、感慨深いもので少しウルっと来てしまうような感動に包まれました。

頂上は芝生になっているので寝転がって見下ろせるのも貴重な体験。
それにしても天気が良く昼寝にはもってこい。
感情に浸っている自分を横目にhokt氏がお湯を沸かしてくれている。
偶然にも同じシーフードヌードルw
今日のサプライズは、Hokt氏の自家製ベーコン。
これをサッと炙ってご馳走になる。

激ウマ過ぎる! こんなベーコン喰ったこと無い!
唾液が止まらない…いやーー参った。こりゃ凄い。。
かなりセンセーショナルなサプライズだった。
ご飯後はコーヒータイム、幸いにも風は弱く日当たりも良いので、ジャケットの中にフリースさえ着込めば、ゆっくり過ごしても寒気は無かった。
さて、温泉もあるので名残惜しいが下山の路につく。

登りよりも緩いが、そこそこの斜度を下る。
途中いきなり竹林が現れては無くなったりと、本当に変化が楽しい森を歩く。


下山直前で、犬連れの男性に遭遇。せっかくなので、お話を聞いてみる。
元猟師とのことで柴犬のような雑種2匹の猟犬、1匹は主人のそばに、もう1匹はかなりの斜度の斜面を駆け上がっているのが凄かった。
猟はイノシシだったそうだが、最近ではタイワンリスという外来種が繁殖してしまいかなりの被害が出ているとの事。
イノシシや鹿は狩ることができるがリスとなると小さい故に繁殖能力も高いからどうしようも無い。かなり深刻で退治に報奨金?がでるそうだ。
そこから数分で、下山。

踏切を渡り、川沿いを歩きながら蓮台寺駅へ。

この川がまた雰囲気が良い、うるさ過ぎず、ゆるゆると。まわりにはススキも残っている。
15時頃だが少し夕暮れ色がまた青春風を吹かす。

駅を経由して、千人風呂と呼ばれる「日本一の総檜大浴場」で有名な金谷旅館へ。

ここも下田に来た時には定番化している、古き良き風情のある温泉が楽しめる。
日帰り湯1,000円(備品無し)とは少し割高だが、宿と浴場の雰囲気と、くつろぎスペースを考えれば十分満足できる。できれば手ぬぐいくらいは付くと文句無しなんだけどね….。
今日は車じゃないので、のぼせても平気だから、相当ゆっくり浸かってリラックス。ここは陽があるうちの方が差し込む光が綺麗なので14〜16時あたりに入るのがオススメ。
下田でご飯というプランも考えたが、昼を食べたばかりだし充実感もあるので大人しく、早々に帰ることにする。蓮台寺の駅は目の前だし。
伊豆急行の各停って間際らしいのに戸惑いつつも、16時半の電車で、伊東乗り換えで品川を目指す。

20時過ぎには渋谷に到着、夜のヒカリエって豪華な雰囲気だなぁと横目にご飯。

夕飯はこのザック部隊としては駅近くで、サッと行ける店。ということで東京トンテキへ、メニューには500gというなかばチャレンジメニューがあった。こんな頼むか頼まないか迷った時、我々には頼まないというのは最後を飾るイベントでは締まりがわるいので頼んでしまう習性がある。
先攻でHoktが、「俺は同じものを頼むだけ」というのでもはや悩む必要すらない。
まわりの客からも店員からも一目置かれながら二人とも完食。さすがに箸が止まったけど気合いでなんとか、しかしこの習性はボチボチ卒業せねば(笑)
今回は、初の伊豆トレックとしては充実したものになった。
普段とは違う樹木や植物を楽しむ散策のようで、体力的にも優しいわりに展望も、温泉も楽しめて交通アクセスも良い点では、定期的に来てしまう山となったのは間違い無い。
個人的にも、来慣れた土地を別の角度から眺めるという感慨深いものもあり、この眺めは岩殿山に続くパワースポットになった。
天気も予想よりも晴れてくれて木漏れ日や、野鳥観察もでき予想を遥かにに超える収穫だった。
タイムスケジュールも時間どおり、怪我も無く終えることができ、
2013年、山始めとしては大満足のスタート。

こんなリラックスして昼寝したトレッキングは初。
気づけば、まさに”寝姿”な山となった。
今年も、このようなまだ見ぬ土地への出逢いや、安全登山を心がけて楽しんで行きたいと思います。

ナイストレッキング。
今年も宜しくお願いします。