森の中でサバイバル、そして身の丈を知るの薪(巻)

2017/03/21

どこへ向かうのかシリーズ。
少ない装備でシェルターを作り、ナイフで道具を作ったりするブッシュクラフトというワークショップに参加。簡単に言えばサバイバル生活。一番の目的は『身の丈を知る』限られた時間、装備で自分に何ができて何ができないか。また、自分でやりたいことを決めて好きなだけやる。いつもオートキャンプで装備は好きなだけ持って行けるし充実している野外生活から最小限の装備であえて不便な方法を取り自然と向き合うことで見えてくるものを体感できる。



主催者からもうひとつメッセージ「この時期にキャンプするだけでイカしてる!」
 
確かに!こんなクソ寒い森の奥でw
なんだか楽しくなりそうだわ。
 
15名ほど参加者はいるが基本は個々、共同作業しても可。特にルールはなく、用意してある道具を使ってもよし、使わなくてもよし。注意は『無理しない』『火の扱いだけは慎重に』だけ。シェルターを作るシートとロープとハンゴウは支給。自分はナイフとノコギリだけの道具で生活することにした。もちろんライターやマッチは無し!
他に持ち込みはマット、寝袋、水筒。前述の通り今回は自分で目的を作り過ごす。道具はなるべくナイフで手作りするようにする。
 
ちなみに自分の目的は
・ファイヤースターター(防災用品、≒火打ち石)での着火
・シェルター(シート1枚、ロープ10mのみ、全包囲型、開閉付き)
・情報交換して、我流でやってきたキャンプと標準的なキャンプとの共通点、相違点を知る。
 
 
水は沢から引いているので飲むなら煮沸必須。食材は選択は米、鶏肉、チーズ、ニンニク、塩、胡椒のみ。食に関しては質素とした。先ずは火起こしの講義、竈の作り方、道具の作り方、燃料、注意点などを習う。ここまでで14時くらい。
  
そしたら「ハイ解散!」(早っ!)
「次に皆さんと会うのは明日の朝です、あとは自由!」やりとりも最小限w
 
さてここからは習ったこと、自分の経験を交えての記録。
 
森の中で好きな場所を選らぶ、自分は一番奥の少し斜面を上がった場所、平らな所と斜面の境目を選んだ。とにかく野生(サバイバル)を感じるために目線の中に人工物や他の人が見えないように、自然だけを視野に入れたかった。そして水場などから一番遠いのだが、一番奥にすることで移動の際に他の皆さんの様子を見ることができるのも◎。平地にシェルター、斜面で焚き火をしたかった。
 
何故斜面かというのは、体への負担軽減と光源の確保。平地に作ると穴は下に掘るため様子を見るのも作業をするのも姿勢を毎回下げなければならない。しかし、斜面に対して横に穴を掘ることで斜面の下に座れば目線の高さに焚き火を見ることができる。下にあるシェルターで横になってても火の具合が見えるということにもなる。
これは重要なのだが光源が自分よりも少し上にあることは真っ暗闇の森では光源(≒暖気)を受けられるという利点がある。(ミニサイズで雨でない環境に限る)
 
まずはシェルター。基準になる木を2本挟んでロープでとめる。竹が1本落ちていたので、竹をナイフで加工しペグを作り、開閉部分の支柱にする。



竹は軽くて加工し易くて本当に素晴らしい!次は竈。山火事防止のために予定地から半径2m以上枯葉など燃えやすいものを排除。土が見えるくらいに整地する。先ほど火起こしのデモを見たときに火種を枯れた杉の葉や、樹皮でアッという間に火が広がったのを見て想像以上に簡単に火の粉が舞って燃え広がるのを目の当たりにした。山火事って簡単に起きて、広がるのも早いというのを初めて実感して火気に関しては厳重に注意すべきことを再認識しました。

横穴を掘り、石で囲って竈が完成。さて燃料の調達。基本ブッシュクラフトは生きている木(生木)を傷つけないというのが基本(燃えづらい)。すでに倒れている木(乾燥して燃えやすい)を拾って切って薪にする。御飯の献立から考えて40〜60分程度燃える量およそ3kg程度まで集めた。ブースターとして良く燃える杉の葉が乾燥したものや着火材として樹皮を少々。ナイフを使って箸を作ったり、後で着火するための木くずを作ったり、樹皮をはいだりとまさにサバイバルっぽさ。
 
16時半くらいから初めてのファイヤースターター。これがまぁ大変で、火花を散らす確率が低いのなんの….10〜15分くらいでやっと安定、揉みほぐした樹皮とおがくずみたいなのに着火して火を育てて行く。


炊飯のできる火力になったのが17時過ぎもう暗くなり始めている。米を火に掛けて20分程度で炊きあがる。まぁ米に関しては我ながら慣れたもんだなと。チキンステーキを作り、チーズを溶かして豪快にぶっかけて丼モノ状態に。気温も1桁台であっという間に冷えてしまうが、チーズを追い掛けすることで温感はキープするというアイデアも生まれた。
 
18時、森の中は真っ暗。ほどよく離れた仲間達の明かりだけが点々としている雰囲気もまた良し。何よりこの日は、見事な満月、星も凄く綺麗。
これはこの寒い季節ならではのご褒美なんだな。虫も居ないし。



 
食後は広場で焚き火をしてメンバー初めての団らん。暖を取るというのは重要で、暗い、寒い、やることたくさんな時間から開放されたメンバーは今日の経験や、普段のそれぞれの話、深夜まで夜空の下で盛り上がった。気温も0℃を下回った頃、次々とシェルターに散ったので火を消して就寝。
 
 
夜中の気温は恐らく最低気温は-3℃前後。持参したモンベルのバロウバック(化繊)#1 (リミット気温-9℃)を使ったけど薄着で寒く感じることなくグッスリ眠れた。厚着をすれば#2でも問題なかったが、寝袋選定でバッチリだったのは経験値としても収穫だった。他の人はレンタルで#3相当くらいので寒かっただろうね… 朝起きたらバケツの水が氷ってました。
 
朝7時のMTGだが6時に起床、なぜ?って朝ご飯の薪を集めるから!….シンドイ..



御飯は焼き芋と、持参したチキンラーメンなのでお湯だけ沸かせば良いから薪は少なめ1.5kg程度。着火には麻紐を試した・・・1〜2分で着火した。。。すげぇ麻紐ブースター…..



 
仲間達は各々充実御飯だったみたい、パンを焼いたり、バウムクーヘン作ったり….なんか質素だった自分としては羨ましかった。。今回は余裕なかったけど次回は何か凝ったものを作ろう。11時までには御飯を済ませてシェルター含め完全撤収。火の始末、掘った穴埋めなど、元通りにするのがマナー。
そして、昼からはみんなで餅つき。

1日目から、薪を集め、地面を這いまわって、慣れない作業続き、体は完全に悲鳴をあげる状態に追い打ちをかける餅つき…. でも今回初めてみんなで1つのことをやる作業は楽しくて出来たての餅は最高に美味しかったです。
 
 
さて、最後の最後に筆記試験です。ん?….
そうワークショップとはいえ、実はある資格の演習でもあったブッシュクラフト。2月にも別のワークショップ「キャンプファイヤー」演習も受けていて、またもや分厚い教本を読破。最近の休みは、勉強と演習に費やした…。野生感溢れるサバイバルから筆記試験という温度差に戸惑いながらも全問埋めるだけはした。
 
さて、仲間ともボチボチお別れ。総括という名の最終ミーティングで、1人ずつ感想を述べていく。みんな目的も意識も違うけど、多くの共通する想いや、分かち合える経験。個々のサバイバルだったけど、それを共有することで何倍もの得るものがあるんだと強く実感する総括でした。
 
わかっていたけど、みんな自然と人が大好きなんだなって。
 
いろんなワークショップ含めて数日間だったけど多くの人と知り合えたこと。刺激もあって新しいことに気づけたり、経験も知識も残った、もちろん言うまでもなく筋肉痛もね。。面食らったのは、この現代に埋もれた生活をしていると今回のように「はい、個々で自由に」と”自由”をいきなり渡されると戸惑ってしまう自分もいたり、それもまた収穫でしたね。
 
 
何より、この2日間も素晴らしい天気と夜空をくれた自然に感謝です。
自然と個で向き合い、身の丈を知ることができました。
仲間の皆さん共々、本当にありがとうございました。
 
  
  
さて、次はどこへ行こうか。
 
 
 
….いや、俺はどこへ向かってるんだか…..